アニメ

ジブリ映画はなぜ海外でも人気?理由を3つの視点から考察してみた

愛知県にあるジブリパーク、順次エリアを開放していますが、ついに2024年3月16日、最後のエリア「魔女の谷エリア」がオープンします。

世界的に人気のあるスタジオジブリをテーマにした世界唯一のテーマパークということで、日本国内外から多くのファンが訪れ、チケットが取りづらい状況が続いています。

スタジオジブリの作品はともすると海外(特に欧米の国々)の方にとっては理解しづらい世界観であるにも関わらず、なぜ海外でも高い人気を誇っているのでしょうか。

そこで海外でもジブリ 人気の理由を3つの視点から考察していきたいと思います。

ジブリ 人気を支える3つの理由

スタジオジブリ作品が海外でも人気な理由として

  1. 善悪が明確でない構造
  2. ファンタジーの中にある道徳性
  3. 多様性に富んだ力強い女性主人公たち

この3つの視点から考えていきます。

善悪が明確ではない構造

ジブリ 人気の理由1つ目は「善悪」が明確になっていない構造が取られていることです。

これについてはアメリカ・タフツ大学の教授、スーザン・ネイピア氏が中日新聞のインタビューでジブリのアニメが世界中の人々の心の中で特別な位置を占めていることは明らかであるとした上で、その理由を以下のように説明しています。

20世紀後半から21世紀の初頭にかけ、世の中が複雑化し、観客はほとんどのハリウッド映画より、この複雑性をさりげなく表した映画を求めているのではないかと思います。

最近のディズニー映画では、「リトル・マーメイド」のアースラのような完全な悪役と、白雪姫のような完全に善良なヒロインやヒーローが登場します。

宮崎監督は、そのような単純なキャラクターを見せようとはしません。人生は常に白か黒かという単純なものではないと監督は認識しているようです。人や状況はもっと複雑なもの。ハリウッドがよく見せるような「めでたしめでたし」という結果はあまりない。むしろ、私たちは自分を取り巻く世界の困難や曖昧さを乗り越えて生きていかなければならないのです。

映画やアニメでは話をわかりやすくするため、対立構造を明確にすることが少なくありませんが、それは人間的ではありませんよね。

白の面もあれば黒の面もある、それが人間である、という事を訴えている作品が海外でも支持されているようです。

ファンタジーの中にある道徳性

ジブリ 人気の理由2つ目は作品のファンタジー性です。

世界でも人気を誇るジブリ作品はどれもストーリー、登場キャラどれをとっても奇想天外です。

例えば、登場するキャラクターも悪霊から欲深い老人、魔法使いの小人、、、と幅広い。さらに神話や精神世界をちらつかせつつも、道徳的なメッセージが人間味あふれるタッチで伝わるのがジブリ作品の魅力です。

例えば『もののけ姫』は人類による環境資源破壊が、『千と千尋の神隠し』は児童買春がそれぞれテーマになっているのではないか、という説がネット上では議論されています。

お決まりのラブストーリーやロマンチックコメディに溢れるアニメーション映画業界にあって、スタジオジブリが作り出す独特の世界観は、アニメにも深いテーマと考察を求める世界の映画ファンから絶大な支持を受けているようです。

多様性に富んだ力強い女性主人公たち

ジブリ 人気の理由3つ目は多様性に富んだ力強い女性主人公たちです。もののけ姫 名言などをみても、その女性たちは力強く、魅力的です。

一筋縄ではいかない女性心理構造の奥深さを描く彼らの作品は、多様性に富み、時に絶望し、社会の偏見に苦しみながらも、それぞれのやり方でその苦難を克服していく様子が描かれています。

最後に

今回はジブリパークでも人気を示すジブリ 人気の理由について3つの視点から考察、まとめてきました。

商業ベースで、効率よく作品を作成しようとすると善悪の対立、(人によっては)チープだと捉えられるラブコメが主流になってきます。

しかしジブリ作品は一つ一つに膨大な時間がかけられており、宮崎駿監督、高畑勲監督らが残してきたフィロソフィーが現在、海外でも支持を受ける能因となっているようです。

今後も様々な作品で我々を楽しませ、考えさせてくれるであろうジブリ作品から目が離せませんね!