一時期ブームになった「血液型診断」。雑誌やテレビでいわれる特徴が、まるで見透かされているかのように当たっていて、驚いたことってありますよね。しかし、本当に血液型だけで性格や相性がわかるのでしょうか。
そこで今回は、血液型診断の根拠や信ぴょう性、人気の理由についてご説明します。
血液型診断とは
血液型診断とは、A型・B型・O型・AB型の4つの内、当てはまる血液型により性格や行動の傾向、相性がわかる、という診断です。例えば、
- A型=真面目で几帳面
- B型=楽天家で飽き性
- O型=人付き合いが良く、大雑把
- AB型=天才肌、二面性がある
上記のような印象を持っている方は多いのではないでしょうか。
実は、これらの血液型による性格診断は日本が発祥で、海外ではあまり血液型への関心が高くないのです。海外の血液型 割合は特定の血液型に偏っていることが多く、自分の血液型を知らない人も少なくないためそういった内容に興味がないようです。
血液型診断の根拠と信ぴょう性
血液型と性格の関係性を一時期テレビや本で取り上げられることが多くありましたが、実際に根拠や信ぴょう性はあるのでしょうか。ここでは、血液型診断の歴史や根拠についてご説明します。
血液型診断の歴史
私たちが普段使っているA型・B型・O型・AB型と血液型を分類する方法をABO式血液型といいます。ABO式血液型は1901年にドイツで発見され、1927年には教育学者古川竹二により血液型と気質の関連性を対象とした研究が行われました。しかし、期待した結果は得られず、1931年には研究を中止することとなりました。
1971年、古川の学説に影響を受けた能見正比古は、一般人向けに血液型と性格の関連性を示す本『血液型でわかる相性』を、1973年には『血液型人間学』を出版しました。これにより日本で血液型ブームが起き、テレビや雑誌、楽曲などでも取り上げられました。
現在は、血液型に対する偏見や先入観が問題視され、ブラッドタイプ・ハラスメントという血液型で人を差別する行為を指す言葉まで生まれています。
血液型診断は科学的根拠がない
現在、血液型 性格に関係するという科学的根拠はありません。しかし、未だに血液型で相手を判断する人もいます。ある事例では、特定の血液型だったからという理由で採用面接を不採用にされた、ということもあったようです。
性格形成は血液型だけで決まるのではなく、遺伝的要素や育った環境によっても異なります。血液型診断はあくまで話題の一つ、くらいの感覚で楽しむ方が良いでしょう。
血液型診断が人気の理由は?
日本人に血液型診断が人気の理由は、自分の血液型を知っている人が多く、話題にしやすいことが挙げられます。他にどのような理由があるのでしょうか。次項より確認していきましょう。
シンプルでわかりやすい
血液型を知っていれば誰でも診断ができるため、診断のしやすさと4タイプしかないわかりやすさが人気の理由の一つです。
血液型 相性も4つのタイプを掛け合わせるだけなので、複雑な相性診断より受け入れられやすかったようですね。血液型は姓名判断やタロット占いと違い、特別な知識がないとわからないようなものでないところも魅力です。血液型別の特徴も簡潔で、子供から大人まで血液型による性格を理解できたので、診断内容が広く伝わる原因になったのでしょう。
誰にでも当てはまる内容で信じ込みやすい
血液型占いの結果は、誰にでも当てはまるような内容が多く、まるで当たっているかのように感じるバーナム効果を使用していることから、信じてしまう人が多くいます。
相反する2つ要素を入れ、断定的な表現を避けることで、読んだ方が自分の都合がいいように受け取ることができます。一つの事柄が当てはまっているように感じてしまうと、他の事柄も自分のことを言われているような気がして、その通りに行動してしまうことがあります。そのため、診断の全てが当たっているように感じてしまうのです。
まとめ
血液型だけで自分の性格が分かる、と言われるとつい信じてしまいがちですが、あくまで占いとして受け取るほうが良いでしょう。しかし、ステレオタイプと化してしまった血液型に対する印象は、簡単には取り払うことはできません。一人ひとりが偏見や差別の目をなくすことで、そういった固定観念に縛られない人の見方をできるようになるといいですね。